みやじ整骨院コラム

2018.07.09更新

 

 

ストレッチによって伸びる部分は、筋肉だけではありません。
 
筋肉の周りに存在している
 
「筋膜」
「腱」
「靭帯」
 
といった結合組織も一緒に伸ばされていきます。
 
 
 
筋膜の変化
 

 
筋膜というのは、筋肉の周囲に存在し、

筋線維を束ねている膜状の組織です。
 

どんな小さな筋肉も、必ず筋膜に覆われています。
 

 
筋膜には
 
「筋細胞への血液の供給」
「力の伝達」
 
という2つの重要な役割があり、強い”粘弾性”を持っています。


 
粘弾性というのは、その名の通り

「粘りのある弾力(バネ)構造」という性質です。


 
外から力が加わると即時的に変化を起こし、

動きに順応することができます。
 
 
 
【筋膜の構造】


 
この筋膜は、細く・硬い「コラーゲン線維」

によって構成されています。


 
通常は格子状(十字状)に配列されており、

伸ばされると平行方向に配列が変化します。


 
筋膜が「硬い」状態というのは、この配列が

上手く変化しない状態ということです。


 
筋膜への刺激が少なくなると、コラーゲン線維同士が

「架橋(クロスリンク)」と呼ばれる”癒着”を起こし始めます。


 
コラーゲン線維同士がくっついてしまうと、

配列変化が起きづらくなり、粘弾性を発揮できません。


 
これが筋膜の硬くなる原因です。
 
 
 
継続的にストレッチをしていくと
 
「コラーゲン線維の配列」が整う
「膜内の水分バランス」が整う
 
ことによって筋膜自体の柔軟性が上がってきます。


 
「ピチピチのシャツ」から「ゆったりとしたシャツ」に

着替えると動きやすくなるように、関節可動域なども広がってきます。


 
継続的なストレッチは、筋膜に対しては効果◎です。
 
 
 
腱の変化
 
 
「腱」というのは、筋肉の末端に存在し、

筋肉と骨をつなぐ部分です。


 
腱も筋膜と同じく「コラーゲン線維」によって構成されています。


 
しかし、筋膜とは違い、最初から長軸方向に

対して「平行」に配列されています。
 

配列変化が起きない分、筋膜よりも伸びづらいです。
 
 
通常の腱の弾性性質は、およそ102%と言われています。


 
組織温度の上昇によって、わずかに柔軟性が向上する

こともありますが、腱自体にはほとんど伸張性はありません。
 
 
腱の伸長率は2%程度にとどまるため、

ストレッチをしてもあまり変化は生まれません。


また健康な腱は非常に大きな力を発揮することができ、

直径100平方mmのアキレス腱の場合だと「1000kg」の力に

耐えることができたという報告もあります。


 
したがって、ストレッチによって
 
  腱を伸ばす
  腱を柔らかくする
 
というのはとても難しいです。
 
 
ではストレッチの影響はほとんどないのか、

と言われると…そういうわけでもありません。


 
運動によって最も怪我が起こりやすいのは、

硬い腱と柔らかい筋肉のつなぎ目である「筋腱移行部」です。


 
継続的にストレッチをしていくと、腱に変化はないものの、

筋腱移行部の弾力性が高まってきます。


 
ストレッチは腱を取り巻く環境を整え、

怪我を未然に防ぐことにつながるわけです。
 
 
 
靭帯の変化
 

 
靭帯というのは、関節内部に存在し、

骨と骨をつなぐ部分です。
 
 
靭帯も腱と同じく結合組織ですが、総重量のうち
 
  65%が水分
  25%がコラーゲン線維
  10%がエラスチン線維
 
 によって構成されています。

 
「エラスチン線維」というのは、コラーゲン線維を

束ねている「弾力のある線維」です。


コラーゲン線維を「タコ糸」だとすると、

エラスチン線維は「ゴム紐」のような存在です。


また、靭帯の線維配列の特徴は「うねり」です。


配列自体は最初から平行ですが、

「うねり」がある分だけ伸びることができるんですね。


 
  弾力性のある「エラスチン繊維」を持っている
  コラーゲン繊維自体に「うねり」がある
 
この2点から、靭帯は腱よりも弾力性に富んでいます。


腱の伸長率が102%だったのに対し、

靭帯の伸長率は150%ほどと言われています。
 
 
そもそも靭帯というのは、関節の中で動きの

方向性や可動域を”制限”している組織です。


したがって、ストレッチによって靭帯が伸びる

ことは基本的にありえません。


靭帯が「伸びて」しまったら、

関節は不安定になってしまいます。


 
しかし、ストレッチの効果はゼロではありません。


 
前述したように靭帯は、弾力性のある

エラスチンという繊維を持っています。


 
この繊維は
 
 「加齢」
 「運動不足」
 
などによって、徐々に減少してしまう傾向があります。


 
継続的なストレッチによって関節を大きく動かす

習慣を身につけておくと、高齢になっても弾力性のある

靭帯構造を保つことができるのです。
 
 
 
 
「筋膜」「腱」「靭帯」の構造と変化について

難しい話になってしまいましたが、ストレッチによって

体が柔らかくなる主な要因はあくまで「筋肉」ですので、

参考までに...

投稿者: みやじ整骨院

2018.07.02更新

 

これはストレッチをしていく上で非常に重要なテーマです。


 
1ヶ月、3ヶ月、半年…と継続的にストレッチをしていくと、

体にはどんな変化が出てくるのでしょうか?

 
 
体に起こる4つの変化


 
毎日ストレッチを行っていくと次第に筋肉の柔軟性が上がり、

関節可動域が広がってきます。
 
この時、体の中では以下の4つの変化が起こっていると言われています。
 
1.”伸張反射”の臨界点が上がる
2.”筋節”が増えて、筋肉自体が長くなる
3.”筋膜”の線維配列が整う
4.”グリコサミノグリカン”が増えて、滑りが良くなる
 
では1つずつ解説していきます。

 

1.”伸張反射”の臨界点が上がる

 

伸張反射というのは、筋肉が強く伸ばされた時に

ギュッと縮む”防衛反応”の1つです。


 
カギを握っているのは「筋紡錘(きんぼうすい)」という”センサー”です。
 
筋線維に巻きついているヒモ状のものが筋紡錘です。
 
(引用:LIFE ORDER スポーツ医科学研究所より)


 
筋紡錘は筋肉に対して並行に存在しているため、

筋肉が伸ばされると”一緒に”伸ばされます。


 
強く伸ばされると、筋肉を断裂や損傷から守るために

「縮め!」の合図を発信し、筋肉をギュッと縮ませます。


 
これが「伸張反射」です。


 
体がもつ防衛反応の1つですが、ストレッチ時にはなかなか厄介な存在です。
 (伸ばしたいのに縮んでしまったら、ストレッチにならないですね。)


 
特に筋肉がガチガチに硬い状態だと、それだけ伸張反射も起こりやすくなります。
 

筋肉をちょっと伸ばしただけですぐに力が入ってしまう

原因の1つはここにあります。


 
じっくりと継続的にストレッチを行なっていくと、

筋肉は伸ばされるストレスに対して徐々に”順応”してきます。


 
すると筋肉が柔らかくなるとともに、伸張反射の臨界点(センサーが働くポイント)

が少しずつ高くなっていきます。


 
それによって伸びる範囲が広がると、安定した

可動域を確保しやすくなってきます。

 

2.”筋節”が増えて、筋肉自体が長くなる

 

2つ目は「筋肉の長さ」に関してです。
 
 
筋肉を構成している「筋線維」は1つの細胞で

たくさんの核を持つ「合胞体」の組織です。


 
1つの筋線維の周囲には、およそ8〜10個の

「サテライト細胞」が備わっています。


 
「サテライト細胞」というのは、発生の過程で

筋線維にならなかった「筋”芽”細胞」です。
 (引用:慶應義塾大学病院KOMPAS – Keio Universityより)


 
この細胞は非常に優秀かつ万能で、外部からの刺激に応じて

分裂も増殖も自由自在であると言われています。


 
継続的にストレッチをしていくと
 
「筋線維の末端部分にある核」が刺激を受け、

周囲の「サテライト細胞」に対して
 
『いつも引っ張られてるから、もう少し長くなっとこうよ』
 
という指示を出します。


 
これによって筋線維の末端に「新しい筋節」が追加され、

筋長が長くなっていきます。

 

3.”筋膜”の線維配列が整う

 

3つ目は筋肉を取り巻いている「筋膜」に関してです。
 

 
筋肉の周りには、筋膜と呼ばれる薄い膜が存在しています。


 
この筋膜の主な構成成分は「コラーゲン」という”線維性”の組織です。


 
線維単体では伸びることも縮むこともできませんが、

網目状の構造を取ることによって伸張性を生み出しています。
 (引用:関節可動域制限【第2版】沖田実(三輪書店):P101)


 
継続的なストレッチで対象とする筋肉を適切な方向に

伸ばしていくと「線維の配列」が整ってきます。


 
それによって伸ばした際の筋膜による制限が

少なくなり、可動域が広がってきます。

 

4.”グリコサミノグリカン”が増えて、滑りが良くなる

 

4つ目は「滑りの良さ」に関してです。

 
皮膚や筋肉、筋膜などの結合組織の間には

「グリコサミノグリカン」という物質があります。


 
これは、水とヒアルロン酸が結合したゲル状の物質です。
 

これは結合組織間の”潤滑剤”として、それぞれの

組織の距離間を保ち、癒着を防いでいます。
 (引用:a2-pro.comより)


 
筋肉に対して”伸びる”刺激を継続的に与えていくと、

結合組織間で「グリコサミノグリカン」が生成されます。


 
それによって結合組織間の”滑り”が良くなり、

柔軟性が高まってきます。
 
 
 
まとめ


 
コツコツと継続的にストレッチしていくと

”気づいたら”体が柔らかくなっていると思います。


 
そのとき体の中では
 
 ★”伸張反射”の臨界点が上がる
 ★”筋節”が増えて、筋肉自体が長くなる
 ★”筋膜”の線維配列が整う
 ★”グリコサミノグリカン”が増えて、滑りが良くなる
 
という4大変化が起こっています。


 
ぜひ内容をしっかりと理解して、より効果的なストレッチをしてください。

 

 

 

投稿者: みやじ整骨院