みやじ整骨院コラム

2018.07.30更新

「熱射病」は最重症型の熱中症なのです

 

「熱中症」は「暑熱環境における身体適応の障害によって発生する状態の総称」と定義されます。

 

簡単にいうと、「気温・湿度の高い環境によって引き起こされる体調不良」といえるでしょう。

 

この「熱中症」の最重症型が「熱射病」です。

 

また、太陽光が熱源となって、脱水などを引き起こし、相対的に循環血液量が減少しておこる 、

 

いわゆる「立ちくらみ」を「日射病(熱失神)」といいます。

 

但し「熱射病」の中で、太陽光が熱源となっているものを「日射病」と記しているものもあり、

 

このあたりは少し紛らわしいところです。

 


 「熱中症」が新しい分類になった理由とは

 


「熱中症」には、「熱失神」「日射病」「熱けいれん」「熱疲労」「熱射病」といった病態が存在します。

 

しかし、定義自体があいまいで混乱があることや重症度を把握しにくいという問題点が指摘されていました。

 

また「熱中症」は予防・早期発見・早期診断が重要であることから、専門家以外でも理解しやすい分類と疾患概念が必要とされていたのです。

 


 熱中症が起きやすい気温と湿度とは

 


熱中症の発生に最も寄与する気象要素は「気温」です。

 

夏期の湿度が高い日本では、気温だけでなく「湿度」も熱中症の増加に大きく寄与します。

 

梅雨明け前後7月中旬から8月上旬にかけてピークを迎え、発症時期は12時および15時前後の日中が最も多いとされています。

 

また、暑くなる前は、真夏よりも低い温度で熱中症が発生します。

 

ただし、熱中症は夏場に限らず、どのシーズンでも起こる可能性があります。

 

高齢者で、体温中枢のコントロール機能が十分でない人、あるいは潜在的に脱水のあるような人では特に注意が必要です。



熱中症のリスク指標として、人体の熱収支に与える影響の大きい気温、湿度、輻射熱の3つを取り入れた指標、

暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)が推奨されています。

 


 熱中症にかかりやすい人・リスクが高く注意が必要な人とは


 
性別では男性に多く、年齢・発生状況別にみると、若年男性はスポーツ、中壮年男性は労働でおこりやすいようです。

 

高齢者では、男女ともに比較的安静にしている状態での熱中症が多く、屋内での発症頻度が増加しています。

 

労働環境下でない熱中症は、日常生活の中で徐々に進行するため、周囲の人に気付かれにくく、対応が遅れて重症化する傾向にあります。

 

特に「高齢」「独居」「日常生活動作の低下」「精神疾患や心疾患などの基礎疾患」が熱中症で死亡する危険因子とされています。

 


 熱中症の予防には水分補給と同時に塩分摂取を

 


スポーツドリンクのこまめな水分補給でも問題ありませんが、スポーツドリンクは塩分量が少なく、糖分が多いという特徴があります。

 

熱中症の水分補給には、塩分と水分の両者を適切に含んだもの(0.1~0.2%の食塩水)が推奨されます。

 

現実的には、市販の経口補水液(オーエスワンなど)ということになるでしょう。

 

梅昆布茶や味噌汁なども、ミネラル・塩分が豊富に含まれており熱中症の予防に有効といえます。

 

夏場は特に高齢者に脱水症が生じやすく、また脱水に自分では気づきにくいので注意が必要です。

 

さらに、高齢者はお茶など塩分が少ないものを好む傾向にあり、自分では水分補給をしているつもりでも、結果的に電解質が補給されていない場合もあります。

 

日頃から、経口補水液などを定時に飲むような習慣をつけさせることが熱中症の予防につながります。

 


 「熱中症は危険」という再認識と意識の共有が大切です

 


熱中症は危険な病態ということを、本人のみならず、「スポーツ指導者」「作業監督者」「高齢者を介護する人たち」もよく知っておくことが必要です。

 

夏場のみに起こるという先入観をもたず、「夏場以外のシーズンでも起こりうる」「炎天下の屋外以外でも起こる」ということを心に留めておきましょう。

 

高齢者が熱中症になりやすいのはもちろんですが、スポーツマンでいくら強靭な肉体を持っていても、熱中症になる可能性は十分あります。

 

熱中症なってしまったら、自分でどうにかなるものではありません。

 

「根性論」で頑張らせすぎないように気をつけましょう。

投稿者: みやじ整骨院

2018.07.30更新

「熱射病」は最重症型の熱中症なのです

 

「熱中症」は「暑熱環境における身体適応の障害によって発生する状態の総称」と定義されます。

 

簡単にいうと、「気温・湿度の高い環境によって引き起こされる体調不良」といえるでしょう。

 

この「熱中症」の最重症型が「熱射病」です。

 

また、太陽光が熱源となって、脱水などを引き起こし、相対的に循環血液量が減少しておこる 、

 

いわゆる「立ちくらみ」を「日射病(熱失神)」といいます。

 

但し「熱射病」の中で、太陽光が熱源となっているものを「日射病」と記しているものもあり、

 

このあたりは少し紛らわしいところです。

 


 「熱中症」が新しい分類になった理由とは

 


「熱中症」には、「熱失神」「日射病」「熱けいれん」「熱疲労」「熱射病」といった病態が存在します。

 

しかし、定義自体があいまいで混乱があることや重症度を把握しにくいという問題点が指摘されていました。

 

また「熱中症」は予防・早期発見・早期診断が重要であることから、専門家以外でも理解しやすい分類と疾患概念が必要とされていたのです。

 


 熱中症が起きやすい気温と湿度とは

 


熱中症の発生に最も寄与する気象要素は「気温」です。

 

夏期の湿度が高い日本では、気温だけでなく「湿度」も熱中症の増加に大きく寄与します。

 

梅雨明け前後7月中旬から8月上旬にかけてピークを迎え、発症時期は12時および15時前後の日中が最も多いとされています。

 

また、暑くなる前は、真夏よりも低い温度で熱中症が発生します。

 

ただし、熱中症は夏場に限らず、どのシーズンでも起こる可能性があります。

 

高齢者で、体温中枢のコントロール機能が十分でない人、あるいは潜在的に脱水のあるような人では特に注意が必要です。



熱中症のリスク指標として、人体の熱収支に与える影響の大きい気温、湿度、輻射熱の3つを取り入れた指標、

暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)が推奨されています。

 


 熱中症にかかりやすい人・リスクが高く注意が必要な人とは


 
性別では男性に多く、年齢・発生状況別にみると、若年男性はスポーツ、中壮年男性は労働でおこりやすいようです。

 

高齢者では、男女ともに比較的安静にしている状態での熱中症が多く、屋内での発症頻度が増加しています。

 

労働環境下でない熱中症は、日常生活の中で徐々に進行するため、周囲の人に気付かれにくく、対応が遅れて重症化する傾向にあります。

 

特に「高齢」「独居」「日常生活動作の低下」「精神疾患や心疾患などの基礎疾患」が熱中症で死亡する危険因子とされています。

 


 熱中症の予防には水分補給と同時に塩分摂取を

 


スポーツドリンクのこまめな水分補給でも問題ありませんが、スポーツドリンクは塩分量が少なく、糖分が多いという特徴があります。

 

熱中症の水分補給には、塩分と水分の両者を適切に含んだもの(0.1~0.2%の食塩水)が推奨されます。

 

現実的には、市販の経口補水液(オーエスワンなど)ということになるでしょう。

 

梅昆布茶や味噌汁なども、ミネラル・塩分が豊富に含まれており熱中症の予防に有効といえます。

 

夏場は特に高齢者に脱水症が生じやすく、また脱水に自分では気づきにくいので注意が必要です。

 

さらに、高齢者はお茶など塩分が少ないものを好む傾向にあり、自分では水分補給をしているつもりでも、結果的に電解質が補給されていない場合もあります。

 

日頃から、経口補水液などを定時に飲むような習慣をつけさせることが熱中症の予防につながります。

 


 「熱中症は危険」という再認識と意識の共有が大切です

 


熱中症は危険な病態ということを、本人のみならず、「スポーツ指導者」「作業監督者」「高齢者を介護する人たち」もよく知っておくことが必要です。

 

夏場のみに起こるという先入観をもたず、「夏場以外のシーズンでも起こりうる」「炎天下の屋外以外でも起こる」ということを心に留めておきましょう。

 

高齢者が熱中症になりやすいのはもちろんですが、スポーツマンでいくら強靭な肉体を持っていても、熱中症になる可能性は十分あります。

 

熱中症なってしまったら、自分でどうにかなるものではありません。

 

「根性論」で頑張らせすぎないように気をつけましょう。

投稿者: みやじ整骨院

2018.07.24更新


 
リラクゼーションとは

ストレッチによって得られる効果の1つに「リラクゼーション効果」があります。
 
一般的なリラクゼーションという言葉は、
 
「リラックスした状態」または「リラックスした状態に導く行為」のことを指しています。
 
しかし、運動学習の分野におけるリラクゼーションの定義はこれらとは少し意味合いが異なってきます。
 
Covilleらは以下のように定義しています。
 
「リラクゼーションとは、特別な仕事を要求されていない筋肉は筋活動を起こさず、
 
仕事をしなくてはならない筋肉は必要に応じた最低限のレベルで筋活動を高めるといった、筋活動を制御する能力である」(Coville,1979,P178)
 
つまり、リラクゼーションとは「筋活動を必要最低限に低下させること」であり、人間の運動スキルの1つであるとしています。
 
ただリラックスするのではなく、必要最低限のエネルギー消費で体を動かせるようにするということです。
 
 
 
 
ストレッチとリラクゼーション効果
 
「筋活動を低下させる能力」というのは、運動や日常生活において非常に重要です。
 
必要”以上”の筋活動は
 
酸素やエネルギーの浪費
心臓血管系へ負担
 
となり、身体活動の妨げとなります。
 
またこれは疲労の蓄積にも影響を及ぼし、怪我のリスクにもつながります。
 
 
継続的なストレッチは筋肉の緊張を解きほぐし、筋肉を「脱力状態」へと導きます。
 
この脱力状態こそが「必要最低限のエネルギー消費」の状態です。
 
 
継続的なストレッチによって、筋肉そのものの柔軟性を上げていくことが大切になります。
 
 
 
まとめ
 
リラクゼーションとは、ただリラックスするだけではありません。
 
「筋活動を必要最低限レベルに低下させること」が重要であり、そのためにはストレッチを通じて筋肉の「脱力状態」を作り出すことが大切です。
 
その場限りではなく、継続的にストレッチを続けてみてください。。
 

投稿者: みやじ整骨院

2018.07.19更新

 

ストレッチの目的は「体の柔軟性を高める」ことと

血液の流れを促進させる」ことです。
 
この目的は理解できていても、実際に体の中で

どのような変化が起こっているのか…
 
については、あまり気にされてない方も多いと思います。

 

筋肉の内部で起こる現象


 
そもそも筋肉が疲労して硬くなると「筋内圧」が上昇し、

血液の流れが悪くなります。
 
 
この硬くこわばった筋肉にストレッチを行うと

「せん断力」という力が働きます。
 
 
せん断力というのは「物体にズレを起こす力」のことです。
 
 
ストレッチでは筋肉を”横方向”に引き伸ばしていきます。
 
伸ばされれば伸ばされるほど、筋肉には”縦方向”の

「せん断力」が生じ、筋肉内では「せん断応力」が発生します。
 
この「せん断力」が働くと、筋内圧はさらに上昇し、

血管はより薄くなります。
 
過去には「安静時から20%の筋肉の伸張で、血行が40%減少した」

というデータも上がっています。

ストレッチをしている最中というのは、

逆に血行が悪くなっているんですね。
 
十分に「せん断力」がかかった状態から筋肉を解放すると、

次に大幅な「リバウンド現象」が発生します。
 
この「リバウンド現象」よって、血流量は爆発的に増大します。
 
Kjaeerら(2000)は段階的なストレッチを実施した結果、
 
「腱周辺の血流量は、安静時の”3倍近く”にも増加したこと」
 
を明らかにしています。
 
制限されていた血液の流れが一気に押し寄せるイメージですね。
 
これがストレッチをしている時に筋肉内で起こっている現象です。
 
 
 
ストレッチの効果を高める方法


 
血液の流れをさらに促進させるためには

体温を上げる」ことも大切です。
 
ほんの数度体温が上がるだけで、血流量は増大し、

神経の伝達速度も速くなります。
 
 
最も素早く深部体温を上げる方法は「入浴」です。
 
液体は熱伝導率に優れているため、ホットパックや

サウナよりもスムーズに熱を引き上げることができます。
 
血流量が増大している時にストレッチを行うと、

「リバウンド効果」はさらに高まります。
 
だからお風呂の後のストレッチは効果的なんですね!
 
 
 
ちなみに「マッサージ」も原理は同様です。
 
マッサージの場合は、わざわざ「せん断力」を生じさせるまでもなく、

直接圧迫によって一時的な虚血状態を作り出すことができます。
 
そこからゆっくりと圧を抜くことで「リバウンド効果」

が起こり、血行が促進されます。
 
大切なのは「リバウンド効果」を引き出すために

一度虚血状態を作ることなんですね。

ストレッチもマッサージもリズムが早すぎると

ダメな理由はここにあるんですね。
 
ぜひ筋肉の内部で起こっていることを

イメージしながら、体のケアをしていきましょう。
 
 
 
ストレッチによって筋肉の内部では、「せん断力」や「リバウンド効果」が

働いていることをイメージしながら取り組んでみられると、

さらに効果は高まってくると思いますので、ぜひ取り入れてみてください。

投稿者: みやじ整骨院

2018.07.09更新

 

 

ストレッチによって伸びる部分は、筋肉だけではありません。
 
筋肉の周りに存在している
 
「筋膜」
「腱」
「靭帯」
 
といった結合組織も一緒に伸ばされていきます。
 
 
 
筋膜の変化
 

 
筋膜というのは、筋肉の周囲に存在し、

筋線維を束ねている膜状の組織です。
 

どんな小さな筋肉も、必ず筋膜に覆われています。
 

 
筋膜には
 
「筋細胞への血液の供給」
「力の伝達」
 
という2つの重要な役割があり、強い”粘弾性”を持っています。


 
粘弾性というのは、その名の通り

「粘りのある弾力(バネ)構造」という性質です。


 
外から力が加わると即時的に変化を起こし、

動きに順応することができます。
 
 
 
【筋膜の構造】


 
この筋膜は、細く・硬い「コラーゲン線維」

によって構成されています。


 
通常は格子状(十字状)に配列されており、

伸ばされると平行方向に配列が変化します。


 
筋膜が「硬い」状態というのは、この配列が

上手く変化しない状態ということです。


 
筋膜への刺激が少なくなると、コラーゲン線維同士が

「架橋(クロスリンク)」と呼ばれる”癒着”を起こし始めます。


 
コラーゲン線維同士がくっついてしまうと、

配列変化が起きづらくなり、粘弾性を発揮できません。


 
これが筋膜の硬くなる原因です。
 
 
 
継続的にストレッチをしていくと
 
「コラーゲン線維の配列」が整う
「膜内の水分バランス」が整う
 
ことによって筋膜自体の柔軟性が上がってきます。


 
「ピチピチのシャツ」から「ゆったりとしたシャツ」に

着替えると動きやすくなるように、関節可動域なども広がってきます。


 
継続的なストレッチは、筋膜に対しては効果◎です。
 
 
 
腱の変化
 
 
「腱」というのは、筋肉の末端に存在し、

筋肉と骨をつなぐ部分です。


 
腱も筋膜と同じく「コラーゲン線維」によって構成されています。


 
しかし、筋膜とは違い、最初から長軸方向に

対して「平行」に配列されています。
 

配列変化が起きない分、筋膜よりも伸びづらいです。
 
 
通常の腱の弾性性質は、およそ102%と言われています。


 
組織温度の上昇によって、わずかに柔軟性が向上する

こともありますが、腱自体にはほとんど伸張性はありません。
 
 
腱の伸長率は2%程度にとどまるため、

ストレッチをしてもあまり変化は生まれません。


また健康な腱は非常に大きな力を発揮することができ、

直径100平方mmのアキレス腱の場合だと「1000kg」の力に

耐えることができたという報告もあります。


 
したがって、ストレッチによって
 
  腱を伸ばす
  腱を柔らかくする
 
というのはとても難しいです。
 
 
ではストレッチの影響はほとんどないのか、

と言われると…そういうわけでもありません。


 
運動によって最も怪我が起こりやすいのは、

硬い腱と柔らかい筋肉のつなぎ目である「筋腱移行部」です。


 
継続的にストレッチをしていくと、腱に変化はないものの、

筋腱移行部の弾力性が高まってきます。


 
ストレッチは腱を取り巻く環境を整え、

怪我を未然に防ぐことにつながるわけです。
 
 
 
靭帯の変化
 

 
靭帯というのは、関節内部に存在し、

骨と骨をつなぐ部分です。
 
 
靭帯も腱と同じく結合組織ですが、総重量のうち
 
  65%が水分
  25%がコラーゲン線維
  10%がエラスチン線維
 
 によって構成されています。

 
「エラスチン線維」というのは、コラーゲン線維を

束ねている「弾力のある線維」です。


コラーゲン線維を「タコ糸」だとすると、

エラスチン線維は「ゴム紐」のような存在です。


また、靭帯の線維配列の特徴は「うねり」です。


配列自体は最初から平行ですが、

「うねり」がある分だけ伸びることができるんですね。


 
  弾力性のある「エラスチン繊維」を持っている
  コラーゲン繊維自体に「うねり」がある
 
この2点から、靭帯は腱よりも弾力性に富んでいます。


腱の伸長率が102%だったのに対し、

靭帯の伸長率は150%ほどと言われています。
 
 
そもそも靭帯というのは、関節の中で動きの

方向性や可動域を”制限”している組織です。


したがって、ストレッチによって靭帯が伸びる

ことは基本的にありえません。


靭帯が「伸びて」しまったら、

関節は不安定になってしまいます。


 
しかし、ストレッチの効果はゼロではありません。


 
前述したように靭帯は、弾力性のある

エラスチンという繊維を持っています。


 
この繊維は
 
 「加齢」
 「運動不足」
 
などによって、徐々に減少してしまう傾向があります。


 
継続的なストレッチによって関節を大きく動かす

習慣を身につけておくと、高齢になっても弾力性のある

靭帯構造を保つことができるのです。
 
 
 
 
「筋膜」「腱」「靭帯」の構造と変化について

難しい話になってしまいましたが、ストレッチによって

体が柔らかくなる主な要因はあくまで「筋肉」ですので、

参考までに...

投稿者: みやじ整骨院

2018.07.02更新

 

これはストレッチをしていく上で非常に重要なテーマです。


 
1ヶ月、3ヶ月、半年…と継続的にストレッチをしていくと、

体にはどんな変化が出てくるのでしょうか?

 
 
体に起こる4つの変化


 
毎日ストレッチを行っていくと次第に筋肉の柔軟性が上がり、

関節可動域が広がってきます。
 
この時、体の中では以下の4つの変化が起こっていると言われています。
 
1.”伸張反射”の臨界点が上がる
2.”筋節”が増えて、筋肉自体が長くなる
3.”筋膜”の線維配列が整う
4.”グリコサミノグリカン”が増えて、滑りが良くなる
 
では1つずつ解説していきます。

 

1.”伸張反射”の臨界点が上がる

 

伸張反射というのは、筋肉が強く伸ばされた時に

ギュッと縮む”防衛反応”の1つです。


 
カギを握っているのは「筋紡錘(きんぼうすい)」という”センサー”です。
 
筋線維に巻きついているヒモ状のものが筋紡錘です。
 
(引用:LIFE ORDER スポーツ医科学研究所より)


 
筋紡錘は筋肉に対して並行に存在しているため、

筋肉が伸ばされると”一緒に”伸ばされます。


 
強く伸ばされると、筋肉を断裂や損傷から守るために

「縮め!」の合図を発信し、筋肉をギュッと縮ませます。


 
これが「伸張反射」です。


 
体がもつ防衛反応の1つですが、ストレッチ時にはなかなか厄介な存在です。
 (伸ばしたいのに縮んでしまったら、ストレッチにならないですね。)


 
特に筋肉がガチガチに硬い状態だと、それだけ伸張反射も起こりやすくなります。
 

筋肉をちょっと伸ばしただけですぐに力が入ってしまう

原因の1つはここにあります。


 
じっくりと継続的にストレッチを行なっていくと、

筋肉は伸ばされるストレスに対して徐々に”順応”してきます。


 
すると筋肉が柔らかくなるとともに、伸張反射の臨界点(センサーが働くポイント)

が少しずつ高くなっていきます。


 
それによって伸びる範囲が広がると、安定した

可動域を確保しやすくなってきます。

 

2.”筋節”が増えて、筋肉自体が長くなる

 

2つ目は「筋肉の長さ」に関してです。
 
 
筋肉を構成している「筋線維」は1つの細胞で

たくさんの核を持つ「合胞体」の組織です。


 
1つの筋線維の周囲には、およそ8〜10個の

「サテライト細胞」が備わっています。


 
「サテライト細胞」というのは、発生の過程で

筋線維にならなかった「筋”芽”細胞」です。
 (引用:慶應義塾大学病院KOMPAS – Keio Universityより)


 
この細胞は非常に優秀かつ万能で、外部からの刺激に応じて

分裂も増殖も自由自在であると言われています。


 
継続的にストレッチをしていくと
 
「筋線維の末端部分にある核」が刺激を受け、

周囲の「サテライト細胞」に対して
 
『いつも引っ張られてるから、もう少し長くなっとこうよ』
 
という指示を出します。


 
これによって筋線維の末端に「新しい筋節」が追加され、

筋長が長くなっていきます。

 

3.”筋膜”の線維配列が整う

 

3つ目は筋肉を取り巻いている「筋膜」に関してです。
 

 
筋肉の周りには、筋膜と呼ばれる薄い膜が存在しています。


 
この筋膜の主な構成成分は「コラーゲン」という”線維性”の組織です。


 
線維単体では伸びることも縮むこともできませんが、

網目状の構造を取ることによって伸張性を生み出しています。
 (引用:関節可動域制限【第2版】沖田実(三輪書店):P101)


 
継続的なストレッチで対象とする筋肉を適切な方向に

伸ばしていくと「線維の配列」が整ってきます。


 
それによって伸ばした際の筋膜による制限が

少なくなり、可動域が広がってきます。

 

4.”グリコサミノグリカン”が増えて、滑りが良くなる

 

4つ目は「滑りの良さ」に関してです。

 
皮膚や筋肉、筋膜などの結合組織の間には

「グリコサミノグリカン」という物質があります。


 
これは、水とヒアルロン酸が結合したゲル状の物質です。
 

これは結合組織間の”潤滑剤”として、それぞれの

組織の距離間を保ち、癒着を防いでいます。
 (引用:a2-pro.comより)


 
筋肉に対して”伸びる”刺激を継続的に与えていくと、

結合組織間で「グリコサミノグリカン」が生成されます。


 
それによって結合組織間の”滑り”が良くなり、

柔軟性が高まってきます。
 
 
 
まとめ


 
コツコツと継続的にストレッチしていくと

”気づいたら”体が柔らかくなっていると思います。


 
そのとき体の中では
 
 ★”伸張反射”の臨界点が上がる
 ★”筋節”が増えて、筋肉自体が長くなる
 ★”筋膜”の線維配列が整う
 ★”グリコサミノグリカン”が増えて、滑りが良くなる
 
という4大変化が起こっています。


 
ぜひ内容をしっかりと理解して、より効果的なストレッチをしてください。

 

 

 

投稿者: みやじ整骨院