みやじ整骨院コラム

2019.09.24更新

筋肉痛とストレッチの関係性


 
結論をいうと、ストレッチには、筋肉痛を「予防」・「緩和」させる効果があります。


 
したがって、軽度の筋肉痛の場合には、通常通りストレッチを

行ってもいいのですが、伸ばすことであまりにも「痛み」を

感じる場合は、控えたほうがいいです。
 
  
 
<筋肉痛ってなに?>

 
激しい運動の後に発生する筋肉痛のことを

「遅発性筋痛:ちはつせいきんつう」といいます。


 
この筋肉痛は「伸張性の収縮負荷」が大きくかかった時に

起こりやすいと考えられています。


 
「伸張性の収縮負荷」とは、「引っ張られた状態で、

縮もうとする」動きのことです。


 
例としては
 
ダンベルを”下ろす”動き
階段を”降りる”動き
 
などがあります。


 
筋肉に負荷がかかると傷が付きます。


 
この傷が「炎症反応」を引き起こすと、ヒスタミン等の発痛物質が

活性化されて「痛み」を感じるようになります。


 
これが筋肉痛の痛みの原理の1つです。
 
 


 
<筋肉痛の予防になる?>


 
ではストレッチは、筋肉痛の「予防」になるのでしょうか。


 
過去の研究の中にマウスを用いて「筋損傷に対するストレッチの予防効果」

を検証している実験があります(Koh TJ,Brooks SV(2001))。


 
この実験では、刺激をを与える「2週間前」にストレッチングを

行ったグループは、行わなかったグループよりも
 
  筋肉の損傷の割合が少なく
  炎症反応(好中球やマクロファージの数)も少なかった
 
 ことが確認されました。


 
また同じテーマを扱っている研究では、
 
  実験の14日前
  3日前
  24時間前
  1時間前
 
 にストレッチングを実施し「ストレッチと筋肉痛の関係性」を

 調べています。(Lockhart NC,Baar K,et al(2006))


 
こちらの実験においても、ストレッチをした群はストレッチを

しなかった群と比べて、筋損傷の割合が優位に「減少」

していることが確認されました。


 
すなわち、日常的・または運動前にストレッチを行うことで、

筋肉痛をある程度”予防”できることが分かったのです。
 

ストレッチで「伸びる準備」をしておくと、筋線維の

損傷を抑えられるということです。


 
 
 
<筋肉痛を軽減できる?>


 
このテーマに関しても、過去の研究が多数存在しています。


 
ある実験では、伸張性収縮負荷テストの24時間後、疼痛が生じている

ふくらはぎに対して30秒間のストレッチを実施しています(Reisman et al(2009))。


 
その結果、痛み閾値が優位に”減少”したことが明らかになりました。


 
ただし、反動をつけたり、痛みが大きくなるようなストレッチはNGです。


 
一部位あたり「15〜20秒程度」じっくり伸ばしていくことが大切です。


 
 
 
筋肉痛が緩和されるメカニズム


 
 
ストレッチによって筋肉痛が軽減する理由には、

未だ明確な結論は出ていません。


 
しかし、一般的に考えられている要因としては
 
  代謝産物の分散
  筋活動の抑制
 
 という2点が挙げられています。
 
 


 
<①代謝産物の分散>


 
激しい運動を行うと、筋肉の中では様々な「代謝産物」が生じます。


 
エネルギーが無酸素的に分解された時に生じる

「乳酸」などもこの1つです。


 
この代謝産物が筋肉内に留まってしまうと、血流の流れが

滞りがちになり「痛み」を発生させてしまいます。


 
ストレッチは「血液の流れ」を促進できるので、

代謝産物を分散させることができます。


 
これによって、痛みが徐々に緩和されてくるわけです。


 
ここでは、「血流の促進」がポイントになります。


 
 
 
<②筋活動レベルの抑制>


 
筋肉は常に「筋電位」と呼ばれる電気信号(神経)の影響を受けています。


 
筋電位の高い状態が続くと、緊張や痙攣、

疲労や痛みにつながってしまいます。


 
激しい運動を行うと運動中だけでなく、運動終了後にも

高い筋電位の状態が続いてしまうことがあります。


 
 
ストレッチによる「伸ばされる刺激」には、この筋電位を

”リセット”する「リラクゼーション効果」があります。


 
運動後のクールダウンとしてストレッチを行うと、筋活動を抑制し、

痛み等を緩和することができると考えられています。
 
 
 
 
まとめると、筋肉痛を緩和するためのストレッチのポイントは
 
  血液の流れを促進させること
  筋肉活動をリセットすること
 
 という2点です。


 
したがって、取り組むべきストレッチは「ゆっくりじわ〜っと筋肉を

伸ばしていくスタティックストレッチ」が中心となってきます。


 
  伸ばす時間は1か所につき「15~20秒程度」
  セット数は「2〜3セット程度」
 
 が目安となります。
 
 
注意点としては、筋線維自体が損傷している場合もあるので、

強い伸び感が伴うもの・反動をつけて行うものは原則NGです。

 

強い筋肉痛の際には無理をせず、十分な栄養と

睡眠の確保を心がけることが先決です。


 
あくまで「気持ち良さ」を実感する範囲で、伸ばしていきましょう。
 
 

投稿者: みやじ整骨院