みやじ整骨院コラム

2018.05.13更新

ストレッチをやりすぎると、筋肉はどうなるのでしょうか。
 
筋肉を伸ばしすぎることを、「オーバーストレッチ」といいます。
 
オーバーストレッチには
 
伸ばす「強度」が強すぎること
伸ばす「時間」が長すぎること
 
の2つの要素が含まれ、いずれも筋肉組織の損傷を招いてしまう場合があります。

筋肉は長く伸ばせばいいというものではなく、

一般的に効果的な目安として
 
 
最低でも「15〜20秒」
セット数の目安は「4セット」
「60秒以上」になると、時間を増やしても大きな変化は生まれない
 
といわれています。
 
 
60秒以上のストレッチを行っても、柔軟性に大きな変化は生まれません。
 
ではそれ以上筋肉を伸ばし続けると、どうなるのでしょうか?


 
過去の実験で、頸椎を回旋させた状態で一定のストレッチ負荷を

かけ続けた場合があります(「Dalenbringら(1999)」)。
 
 
この実験では負荷強度を変化させなくても、

スタートからおよそ「3分」で被験者が痛みを感じ始めました。
 
痛みを感じてもさらにそのままストレッチを継続した場合、

やがては「耐え難い痛み」を引き起こしたことが報告されています。
 
 
ストレッチポジションを「3分間」保ち続ける…というのは

とても苦しい状態ということがわかります。
 
感覚が鈍化してきたり、痺れが出てきたりすることもあるので、

覚醒状態であればまず途中でギブアップしてしまうでしょう。
 
怖いのは、ストレッチをしたような状態のまま「寝落ち」してしまうことです。
 
意識の有無に関わらず、筋肉が伸ばされ続ける

という事実は変わらないので注意が必要です。
 
起きた時にあまりの痛さで起き上がれないこともあります。
 
「伸ばしすぎ」や「ストレッチ状態の寝落ち」には

十分注意することが大切です。
 
 
 
この時、筋肉の中ではどのような変化が起こっているのでしょうか?
 
長時間にわたる強度の強いストレッチは、靭帯や関節包に

大きなストレスを与えてしまっています。
 
この靭帯や関節包には「感覚受容器」と呼ばれる

センサーが多数存在しています。
 
これらの受容器は異常な伸びを感知すると、運動ニューロンを

活性化させ、筋肉に対して強い収縮を引き起こさせます。
 
これを「防御性筋スパズム」といいます。
 
伸ばされ続けると、筋肉を守ろうとして縮むんですね!
 
このわかりやすい例が「寝違え」です。
 
首がストレッチをしたような状態で寝てしまうと、

筋肉が長時間伸ばされることによって

運動ニューロンが働き、筋肉を収縮させます。
 
これが筋肉のコリとなって、不快な痛みを引き出します。
 
寝違えた時の首の状態がまさにオーバーストレッチになっています。
 
軽度のオーバーストレッチであれば、筋緊張を解くような

「リラクゼーション処置」で対応できます。
 
しかし、重度のオーバーストレッチの場合、

筋肉や靭帯などの組織に損傷(炎症)が出てしまう場合もあります。
 
損傷(炎症)が出ている際にはアイシングを行い、

安静状態を保つことが大切です。
 
 
 
まとめ
 
2分〜3分という長い時間のストレッチは、

オーバーストレッチを引き起こす場合があります。
 
組織は過剰なストレッチから筋肉や関節を保護するために、

逆に縮もうとする傾向があります。
 
何事もほどほどが一番です。
 

投稿者: みやじ整骨院