みやじ整骨院コラム

2018.05.02更新

 

「体を柔らかくする・柔軟性を高める」というのは、

健康で快適な日々を送るためには重要な要素です。


体が柔らかくなればそれだけ「血液の流れ」も良好になり、

疲労の抜けも早くなります。


しかし、柔らかければ柔らかいほどいいのか…というと

必ずしもそうとは限りません。

 

関節の可動域


 
「体の柔らかさ」には、大きく分けて2種類あります。
 
それが
 
  ①「触った時」の”弾力”としての柔らかさ
  ②「伸ばした時」の”弾性”としての柔らかさ  です。
 
この両者には一部相関する部分もありますが

「イコール」ではありません。
 
 
一般的な「体の柔らかさ」は、②の「”弾性”としての柔らかさ」を見ています。
 
つまり、体が柔らかいかどうかは
 
  ・「筋肉がどのくらい伸びることができるか」
  ・「関節がどのくらい動くか」
  ・「関節可動域の大小」
 
               で測られます。
 
 
関節の動きが大きいほど、体が柔らかいということです。
 
 
 
人間の体の関節には、本来生まれ持った

「可動域」が存在しています。
 
例えば
 
 手首の屈曲=90度
 肘の屈曲=145度
 股関節の屈曲=125度
 膝の屈曲=130度
 
というように、体の構造に基づいて「可動域」が規定されています。
 
骨格や筋肉のつきかたで多少の誤差はあるものの、

基本的には共通しています。

 
ストレッチでは”伸び感”を得るために「可動域+α」まで

関節を動かしていく必要があります。


90度曲がる手首の関節に対して、45度曲げたとしても

ストレッチ効果は現れません。
 
 
 
ストレッチではどこまで伸ばせばいいの


 
「体の柔らかさ」を以下の3パターンに分けてみましょう。
 
  ①硬い
  ②柔らかい
  ③ゆるい
 
 
 ①硬い
 
「関節が硬い」というのは、適正な可動域の

「途中」で動きが止まってしまう状態です。
 
本来であれば「125°」動くはずの関節が、

60°までしか動かない…それが体の硬さです。
 
この場合は、ストレッチをすることで

痛みを伴う場合があります。
 
「+α」の角度は「大きな痛みが出ないところまで」です。
 
痛みは体からの危険信号でもあるので、

無理をしすぎないよう気をつけましょう。
 
 
 
②柔らかい
 
「関節が柔らかい」というのは、適正な可動域の

「全体」までしっかりと動く状態です。
 
この場合の「+α」の目安は、適切な関節可動域の10〜15°程度です。
 
反動をつけず、動きをコントロールすることが大切です。
 
 
 
③ゆるい
 
「関節がゆるい」というのは、適正な可動域を

「大幅」に超えてしまう状態です。
  
この場合は脱臼等のリスクもあるので、

ストレッチの際には注意が必要です。
 
「代償動作」をきっちりコントロールできているのに

「適正な関節可動域+30〜40度以上」動いてしまう場合は、

もはやストレッチは不適切です。 
 
「適正な可動域+30〜40度以上」大幅に動いてしまう場合は、

筋肉だけではなく靭帯等も”ゆるんでしまっている可能性”があります。
 
そのような場合はエクササイズトレーニング等で筋力を高め、

逆に「関節の安定性」を獲得することのほうが大切です。
 
ただし、基本的に③ゆるい状態は
 
女性ホルモン(リラキシン=靭帯の緩和)の影響
筋量の大幅な減少
 
などが要因になっており、日常的なストレッチだけで

なることはほぼありえません。
 
 
 
まとめ
 
体を柔らかくすることは、健康においてとても大切です。

「体を柔らかくすること=正常な関節可動域まで動かせるようになること」
 
を目標にコツコツと頑張っていきましょう。
 
しかし「柔らかさとゆるさは違うということ」をぜひ理解しておいてください。

 

投稿者: みやじ整骨院